貴ノ浪 貞博


概要

長身で懐が深く、相手を引っ張り込んでの小手投げや上手投げを得意とする個性派力士でした。初土俵から大きな壁にぶつかることもなく大関に昇進し、大関を37場所に渡りキープ。優勝も二度経験した実力者でしたが足首の故障で大関を陥落、その後もしばらくは幕内上位をキープしていたものの晩年は一年6場所すべて負け越しという不名誉な記録も作ってしまい、平成16年5月場所で引退。その後大病を患い心停止状態に陥ったものの現在は回復し、後進の指導に当たられているようです。

取り口

立会いは右で上手を狙うか抱え、左を差す型を持っています。右で上手を引くと強く、右上手投げや小手投げも得意としていました。時折見せる河津掛けも良く決まっていましたが、これが怪我につながっていたかもしれません。脇が甘く、2本差されながらも無理やり振り回して勝つという基本とは大きくかけ離れた取り口には批判も多かったようですが、あれだけの成績を上げられては周囲も黙り込むしかったようで……。ただ、その取り口ゆえ体格が良くて抱えきれない曙には合口が悪かったようです。

全盛期とその成績

全盛期は初優勝を果たした平成8年あたりでした。

平成8年1月場所 東大関 14勝1敗 優勝
3月場所 東大関 11勝4敗
5月場所 西大関 12勝3敗 準優勝
7月場所 西大関 12勝3敗 準優勝
9月場所 東大関 9勝6敗
11月場所 東大関 11勝4敗 優勝同点

対策

立会いの威力がないので先手は取りやすく、脇が甘いので二本差すのは簡単ですが、下手に差すと抱えて振り回されるので、四つには組まずに筈で押して行くか胸を押して突っ張る作戦が有効かと思われます。重心が高いので足癖も上手く使えば有効ですが、安易に切り返しに行くと河津掛けで返される可能性もあるので危険です。

得意な相手

貴乃花 優勝決定戦の2回しか対戦がないのですが、2回とも貴ノ浪が勝っています。
旭豊 同じ左四つのため、自力で上回る貴ノ浪が有利な取り組みでした。
琴別府 これも左四つ同士。

苦手な相手

わざと相手に差させて差し出を抱え込むのを得意としていた貴ノ浪でしたが、さすがに自分より大きいを抱えることは出来なかったようです。通算成績は貴ノ浪の5勝31敗。曙よりも多く優勝しており、体重、体格が比較的曙に近い武蔵丸に対しては22勝37敗とまずまず善戦していることからも、曙への苦手意識が見て取れます。
剣晃 長身ながら差し身のよい剣晃は、貴ノ浪にとってやりずらい相手だったようです。通算成績は12勝11敗。
出島 出島からすれば、的が大きくて当たりやすい貴ノ浪はとりやすかったのでしょう。通算成績は9勝19敗。

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