相撲観戦記 平成21年 九州場所


総括

今場所も白鵬の強さが際立っていましたが、朝青龍も千秋楽の最後の取組で意地を見せていました。大関陣では琴欧洲が奮闘していましたが、安美錦や豊ノ島などの苦手力士には相変わらずでした。


七日目

○春日王(寄り切り)山本山●

重量陥落の危機にある両者の対戦。春日王が変わりながら左上手、頭をつけると右も引いて寄り切った。山本山は今場所足がまったく出ていない。どこか悪いのだろうか。

○栃ノ心(上手投げ)土佐豊●

今場所は好調の両者。栃ノ心がすぐに左前褌、これはすぐに切れるが再び左上手を引く。土佐豊も左上手を引き右四つに組み両者回し十分。一呼吸おいて栃ノ心が吊ろうとするが土佐豊は残し、栃ノ心の投げに乗じて右外掛けに行くが、栃ノ心はこれをこらえて上手投げで転がした。

○豊ノ島(突き落とし)嘉風●

豊ノ島が左を差し、いい形を気づいたものの嘉風が左から起こして先手先手で攻める。しかし豊ノ島は余裕をもってこれを残すと右から突き落とした。嘉風はあの形になってはどうしようもないが、よく攻めてはいた。


六日目

○猛虎浪(寄り切り)霜鳳●

猛虎浪が踏み込んで左上手、霜鳳に廻しを与えず寄り切った。

○高見盛(寄り切り)春日王●

踏み込みは春日王勝ったが、高見盛はやや下がりながらも左前褌をすぐに引くと右を差し、春日王が右を抜くと両差しになって寄り切った。春日王は慣れないことをしたのが仇となったか。

○阿覧(叩き込み)雅山●

好調の雅山と不振の阿覧の対戦。両者見て立ち雅山が細かく突っ張ると阿覧も左右の突きで応戦。雅山も阿覧の突きと叩きによく突いていったが最後は雅山の足が流れて阿覧のはたきが決まった。阿覧も勝ちはしたが相変わらず手だけで相撲を取っていた。

○把瑠都(吊り出し)鶴竜●

両者ともに未来の大関候補だが、今場所は二人ともここまでやや期待はずれ。鶴竜頭からぶつかるが把瑠都は下がらず右肩越しの上手を引き捕まえて吊る。一回目の吊りは鶴竜も堪えたが、二度目の吊りには何も出来ずにつり出された。鶴竜は差すのではなく筈を狙っていくべきだったか。

○日馬富士(寄り切り)稀勢の里●

両者2勝3敗と振るわない。日馬富士が立会いの一発で相手を起こして二本差し、一気に寄りきった。日馬富士は今場所一番の会心の相撲。

○武州山(はたき込み)琴光喜●

苦労して大関になった琴光喜と苦労して幕内に昇進した武州山の対決。琴光喜が良く踏み込んだが武州山も下がらず右のど輪、琴光喜が左前褌を引くが武州山もすぐに払って切り右を差す。琴光喜も右下手を引いて出て行くが武州山が右から突き落とすと琴光喜が一瞬速く落ち武州山に上がり、物言いが付いたが軍配通り。琴光喜は今日も有利な形からの敗戦と、どこかがおかしい。

○白鵬(寄り切り)豪栄道●

ここまでは磐石の白鵬。今日も大きく大きく踏み込んで左の前褌、を取りすぐに上手出し投げで仕留めた。豪栄道は愚直に行き過ぎた。


四日目

○猛虎浪(送り出し)山本山●

幕内3場所目、そろそろ幕内でも勝ち越したい勝ち越したい猛虎浪。立会い踏み込みのない山本山に当たってから左に回り込み、後ろについて送り出し。一度当たっておいて相手の勢いを削いでからの変化は良く聴く。

○豊響(下手投げ)霜鳳●

豊響が両差しを狙いながら出て行くが霜鳳が下がりながらあてがって右四つ、左上手も引いて十分な体勢になり、俵を背にしていた霜鳳が左上手から降って体を入れ替えでていくが豊響が左からの下手投げで逆転。霜鳳は自分十分になりながらもったいない負けかただった。

○黒海(寄り切り)阿覧●

当たって左を返して右上手を与えず、自分だけが左上手を引いて寄り切った。両者ともにあまり覇気が見られないのが気がかり。

○垣添()玉乃島●

垣添が二本さすが玉乃島は右から抱えて出ようとすると、垣添は左を抜いて筈に切り替え、右も浅く差して押し出した。番付を一気に上げて苦戦が予想された垣添だったが、思いのほか調子はいいようだ。

○把瑠都(掬い投げ)稀勢の里●

対戦成績では把瑠都が稀勢の里大きく引き離している対戦。今場所も両者すぐに左四つ、廻しを十分に引き合う。把瑠都が二度吊りを見せるが稀勢の里は残して左で把瑠都の右わき腹を押し上げて把瑠都の右上手を切ろうとするが、切れた瞬間に把瑠都が左を返して掬い投げを打つと稀勢の里も右上手を離し、そのまま土俵に手を突いた。稀勢の里は立会いにがっぷりに持ち込まれないようにする工夫が見られなかった。

○安美錦(押し倒し)琴欧洲●

琴欧洲が両手を出す立合いを見せると安美錦は角度よく頭から当たって左をはずにいれ一気に押し倒した。琴欧洲は考えすぎるという良くない癖が出てしまった。

○白鵬(上手投げ)琴奨菊●

白鵬が左前褌を狙うが琴奨菊は与えず右を差し、左からおっつけようとする。しかし白鵬はあわてず琴奨菊の右を手繰って横に着き、出し投げ気味の上手投げで這わせた。琴奨菊は2連敗で雲行きが怪しくなってきた。


三日目

○玉飛鳥(寄り切り)猛虎浪●

両者苦しい番付。猛虎浪が左前褌を引くが玉飛鳥も左下手を深く引くと右をおっつけて猛虎浪の左を切り出て行く。猛虎浪も右で玉飛鳥の左を抱え、左に回りこみながら上手を引き上手投げを放つが一枚まわしなうえに深かったために決まらず、しかも上体が浮いてしまったところを玉飛鳥が寄り切った。猛虎浪は後手後手に回ってしまっていた。

○高見盛(送り出し)黒海●

頭から当たって差し手争い、黒海が左を差そうとするところを高見盛が右から手繰って送り出し。高見盛はここで大勝ちしてもう一度三役に上がりたい。

○嘉風(掬い投げ)朝赤龍●

再び上位進出を狙う両者の対戦。嘉風が立会いから先手を取って突っ張ると朝赤龍も応戦。押し切れない嘉風が引くと朝赤龍も落ちかけるが残す。嘉風は左に回りこみながら右上手に手をかかるがすぐはなれて右で張り、朝赤龍が一瞬ひるんだところを二本差してよりながらの掬い投げで決めた。嘉風が常に先手先手で攻めていた。

○若の里(送り出し)豊ノ島●

豊ノ島が胸を出す立会いから左差し、右も差そうとするところを若の里が左から突き落とすと足がそろった豊ノ島は勢いで土俵の外へ飛び出した。

○垣添(寄り切り)岩木山●

まだ岩木山に一度も勝ったことがない垣添。垣添がすぐに二本差した後、右を抜いて右手で岩木山の左胸を押しながら寄り切った。垣添は17回目の対戦で初めて岩木山を破った。

○鶴竜(押し出し)琴奨菊●

好調の琴奨菊と、ここまでやや期待はずれな鶴竜の対戦。鶴竜が踏み込み強烈な左おっつけから一気に押すと、琴奨菊はあっさり飛び出した。琴奨菊は前日までの好調振りが嘘のような脆さだった。

○豪栄道(下手投げ)琴光喜●

琴光喜が左上手を引くと右を差す十分な形になったが、豪栄道が右下手から振り回すと琴光喜は軽々宙に浮いた。琴光喜はいい形になって喜びすぎた。

○琴欧洲(掬い投げ)武州山●

33歳にして大関初挑戦の武州山。立会いに良く踏み込んで押し込んだが左脇が空き、そこに琴欧洲が右を差して掬い投げ。琴欧洲は押し込まれたが落ち着いていた。

○魁皇(小手投げ)把瑠都●

幕内800勝がかかる魁皇と大関が掛かる把瑠都の対戦。把瑠都が左を差す立会いを見せるが、魁皇がよく見て右に変わり、左腕をたぐってとったり。決まり手は小手投げ。把瑠都は突っ張っていくべきだったか。


初日 

○旭天鵬(掬い投げ)玉乃島●

二年ぶりの対戦。玉乃島が右上手を引いて出るがやや深く、旭天鵬は左掬い投げで幾度となく残し、玉乃島がなおも出ようとするところを肩透かし気味の掬い投げで転がした。玉乃島はあれだけ自分十分になりながら白星を逃したのが痛い。

○垣添(押し倒し)若の里●

久々の上位挑戦で苦戦が予想される両者。垣添が踏み込んで両差しになり、若の里の首投げにぐらつくが何とかこらえて体を預けるように一気に押し倒した。いつも両差しになってからの攻め手に欠ける垣添だが今日は素早かった。

○把瑠都(寄り切り)栃煌山●

大関候補同士の対戦。把瑠都が自分十分の左四つに組みとめ、左を返しながら出て寄り切り。把瑠都は勝ちはしたが土俵際の詰めがやや雑だった。

○千代大海(引き落とし)時天空●

千代大海は14度目の角番。後がない千代大海は必死に突くが時天空も下がらない。しかし千代大海がタイミングよく引き落とすと時天空はあっさり手をついた。時天空は相変わらず相撲が淡白。

○琴奨菊(寄り切り)日馬富士●

琴奨菊を大の苦手とする日馬富士。今日もあっさり左四つを許すと何も出来ずに寄りきられた。ここまで勝てないのは心理的な問題か。

○朝青龍(はたきこみ)豪栄道●

連覇を狙う横綱と関脇復帰を狙う豪栄道。豪栄道は立会い低く当たったがやや低すぎ、朝青龍がはたくと豪栄道は横綱の右足にしがみついて残そうとするが朝青龍が叩き落とした。朝青龍も勝ちはしたが後ろに余裕はなかった。

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