我慢の刑


晴れた日の午後。登山に使う用品の買出しを終えたポポが、愛するナナの待つ自宅へと帰ってきた。
「ナナ、ただいまっ!」
「あ、お帰りなさいポポ、待ってたよ」
「ごめんねー待たせちゃって。さ、昨日の続きを……」
ポポはテーブルの上を眺めて、不思議そうにあたりを見渡す。昨日深夜まで作業してほぼ完成までこぎつけた、作りかけのスポーツカーのプラモデルがなくなっていたのだ。もしかしたら他の場所に置いといたんだっけな、と思いながらポポはナナに尋ねる。
「あれ?ナナ、僕のプラモデル知らない?」
「えっ?プラモデル?」
「うん。あの、僕の顔ぐらいの大きさの、白地に赤の線が入ったスポーツカーのやつ。昨日途中まで組み立てて、この辺においておいたはずなんんだけど……」
ポポの言葉にナナの表情が青ざめる。ナナは慌てて視線を上へとそらし、「え……し、知らない」と搾り出す。ナナの額を、冷や汗がつうと伝わる。ポポはテーブルのほうに視線を向けていたのでそのことには気がつかず、「おかしいなあ……」とつぶやきながらなおもあたりをきょろきょろと見渡す。
「そっか、おかしいなあ、確かにこの辺においておいたはずなんだけどなあ。部屋の掃除するときとかに見かけなかった?」
「え、う、うん……」
そわそわと落ち着きなく視線をそらすナナ。賢明な読者の皆様ならもうお気づきだろうが、ポポのプラモデルを部屋から除去したのはナナなのだ。ポポもようやくナナの不自然な態度に気がづき、両肩に手を置いて問い詰める。
「ホントに?なんか怪しいよ、ナナ」
「ほ、ほんとだよっ!」
普段はめったに出さない大声を出して主張するナナ。彼女が大声を出すときは、何か重大なピンチに陥っているか、何かを隠そうとしているかのどちらかだ。今回は後者だと判断したポポは、視線をそらし続けるナナの顔に触れて視線を無理やり合わせる。
「じゃあ、僕と目合わせてよ」
「うう……」
下を向いて押し黙るナナ。彼女は何か隠し事をしようとしてもすぐに態度に出てしまう。そんな彼女に苦笑しながら、ポポは「いいからいいってごらん、楽になるよ」と諭すように言う。ナナは先ほどまでの虚勢をあっという間に捨て去り、自分の罪を自白した。
「ごめんね、実はその、あれ、いらないものだと思って、掃除するついでにごみに捨てちゃった……」
「ああ、そっか……ええーーーーっ!ひどいよナナ、昨日夜更かししてやっとあそこまで作ったのにぃー」
両手をぐるんぐるんしながら抗議するポポ。ナナはひたすら頭を下げ続ける。
「ごめんなさい、ホントに大事なものだって、知らなくて……」
「知らなくても人のものを勝手に捨てるとかだめでしょー!」
「ごめんなさい……」
「……」
気まずい沈黙が流れる。ポポはもう既に諦めの境地に達してだんまりを決め込んでいたのだが、その態度をとてつもなく怒っていると勘違いしたナナは、何とか許しを得ようと禁断の言葉を口にしてしまう。
「ポ、ポポ、あの!何でも言うこと聞くから許して……」
「……え?ホントに?何でも言うこと聞いてくれるの?」
「え、うん……」
「へーそっかあ、何でも言うこと聞いてくれるんだぁ……」
何かよからぬことを思いついたらしく、ポポはぬふふふと悪い笑みを浮かべる。ナナはもしかしたら怖いお仕置きをされるのではないかと思い、体がかあっと熱くなる。
「え、あ、あの……」
「ぬふふふふ、これはナナ、口が滑ったねえ、何でもするなんて約束するとはねえ……」
「え、あの、あ、あんまり、痛いのは……」
「あー大丈夫大丈夫。別に痛いことをしようとしているわけじゃないよ。大事なナナの体に傷つけたりとかできないもん。そうじゃなくて、ちょっと耳を貸してごらん」
「うん……」
ポポはナナの耳元でぼそりと何か命令する。それを聞いたナナの顔が紅潮する。しかし負い目があるナナはポポの命令を拒むことができず、仕方なくうなづくのだった。


ところ変わってここはスマブラ寮の台所。ポポからいったん開放されたナナは一人で洗い物をしている。ナナは一見先ほどと同じように見えるが、良く見るとせわしなく足を踏み鳴らしたり、腰をゆすったりしている。そこに突然現れるゼルダ姫。ナナはあわてて異変を悟られないように背筋をピンと伸ばした。
「あら、ナナちゃん、洗い物?」
「あ、ゼルダさん、こんにちは……んっ」
「どしたの?」
「あ、いえ、なんでもないです」
「あらそう、じゃ、私はお仕事があるからまた後でね」
「は、はい……」
首をかしげながらもゼルダが出て行ったのを見送り、ナナは1つ安堵のため息をついた。しかしすぐに彼女はまたそわそわと落ち着きなく体をゆすり始める。ナナは急いで残りの洗いものを済ませ、そそくさとポポの元に戻る。
「た、ただいま、ポポ」
「ん、おかえり、ナナ」
ナナはテーブルに突っ伏していたポポの向かい側に腰をかける。相変わらず体がせわしなく動いているナナの様を見て、ポポはニヤニヤと笑った。
「ナナ、もっと落ち着かなきゃダメだよ」
「うう、いじわる……ねえ、ポポ、もうトイレ行ってもいいでしょ?」
「んー、そうだねえ……まだ反省の色が見えてないからだめー」
実はポポはナナにトイレ禁止令を出していたのだ。先ほどからナナが落ち着きなく動いていたのは、迫り来る尿意と懸命に戦っているためだった。負い目のあるナナがポポの命令に逆らえるはずもなく、今に至っている。
「そ、そんなぁ……もう無理だよ、さっきちょっとちびっちゃったし……」
「ん、もうそんなに切羽詰ってるの?」
「う、うん、だから、もう許して……」
目に涙を浮かべながら懇願するナナを見て、わずかにポポの良心が痛む。ここは1つ安心させてあげようと思い、ポポは声のトーンをいくらか上げて、笑顔で言う。
「ナナ、別に僕はもう怒っちゃいないよ?」
「えっ……本当?」
「うん、本当だよ。さっきもちゃんと謝ってくれたしね。とっくに許してるよ」
「じゃ、じゃあ」
トイレに行かせてよ、といおうとしたナナの言葉を、ポポが遮る。許してはいるが、それはそれ、これはこれ。まったくの別問題なのだ。
「でもナナ、さっきなんでも言うこと聞くって言ったよね?」
「うん……」
「言うこと聞くって行った以上はこのまま続けてもらうよ、いいね」
「うう……」
「お返事は?」
「はい……」
「よし、じゃあこっちおいで」
「え?う、うん」
ポポはナナの手をとり、風呂場に連れて行く。ナナは体をくねらせながら、尿意で満たされ集中できない頭でポポに疑問をぶつける。
「ねえ、ポポ、何でお風呂に来たの?」
「ん?ここなら限界が来ても事後処理がしやすいからね。さ、心置きなく我慢していいよ」
「あ、ん、あ……」
「頑張れナナー。あと3時間たってもまだ我慢できてたらトイレに行っていいからね」
ポポの死刑宣告とも言える言葉に、ナナはいやいやと首を横に振る。あと3時間我慢なんて、天地がひっくり返っても無理だと彼女は分かっていた。
「む、むり、絶対無理だから、そんなのっ、あ、ん、っ」
「……ねえナナ」
「な、なに、トイレにいかせてくれるの?」
「ちがうよ、そうじゃなくてさ、もし僕の勘違いだったら悪いんだけど……」
「うん、なに……っ」
「もしかして、僕にトイレ我慢を強要されていること、ちょっと喜んでない?勘違いだったら悪いんだけど」
「え?そ、それは、あの……」
せわしなく動いていたナナの体が一瞬硬直する。ナナは、否定する言葉を吐こうとするのだが、どうしたことかそれが出てこない。彼女は嘘をつくのがとても苦手なのだ。
「どうなの?正直に答えて」
「う、ちょ、ちょっとだけ、……でも、やっぱ辛いよ、ん、あぅ、う〜……」
「そっか。もしかしたらやりすぎて嫌われちゃうんじゃないかって、ちょっと心配だったんだ。少しでも喜んでくれてるなら、ホントによかった」
「ん、あ、私が、ポポのこと嫌いになるなんて、ないよ、何されても、ポポになら、大丈夫……」
ポポは思いもよらぬ告白に頬を緩める。そしてもしかしたら嫌われてしまうのではないかという心配が消えたことに、ほっと1つ息をつく。少しとはいえ相方が喜んでいてくれて何よりだと思ったポポは、何気なく風呂場の時計を見やる。時計は午後8時2分を差している。ナナはいよいよ限界に差し掛かったらしく、先ほどまでよりさらに激しく、まるで踊っているかのように体をグネグネとくねらす。ポポはその愛らしい動きに一瞬心を奪われ、このまま押し倒してしまいたいという衝動に駆られるが、なんとかそれを最後の理性で押しとどめる。
「そうか、うれしいねえ、うん……さ、あと、2時間58分だよ、頑張ってね」
「あ、トイレ、無理、もう、我慢できない、許して、ポポぉ……」
「あ、また一分進んだ。あと2時間57分だよ、ガンバレー」
「あ、あ、あ、あ、あぁ……」
グネグネダンスをやめ、再び膠着するナナ。限界を突破したナナの股間が一瞬膨らんだかと思うと、じわっと黄色い水があふれてきた。はじめはちょろちょろと、やがて勢い良く飛び出したそれは、ナナの足をつうと伝わり、彼女の足もとに大きな水溜りを作った。
「あ、あ、あ、だめ……」
「あららー、やっちゃったね」
永遠にも続くかと思われた水の勢いだったが、もちろんそんなことはなくだんだん弱まっていき、やがて止まった。あとには大きな水溜りとびっしょりと濡れたナナの防寒服だけが残された。
「あ、う、ぽ、ポポぉ、やっぱり、我慢できなかった……」
「ナナ、良く頑張ったね。辛いことさせちゃってごめんね」
「う、うん、大丈夫……」
ナナの体が再びぶるっと震え、先ほど出し切れなかった水が再びちょろちょろとあふれ出てくる。ナナは恍惚とした表情のまま、それを止めようともしなかった。
「……うふぅ……」
「ナナ、気持ちよかった?」
「うん……あ、あの、ごめんね、プラモデル」
「いいさ、あんなものまた作り直せばいいんだから」
「うん……またやろうね、こういうこと」
「え?さっきまであんなにもうトイレ行きたいって言ってたのに……」
「あ、うん、でも、やりたいの……」
「……ナナ、この間否定してたけど、やっぱり君、実はどMでしょ?こんなに責められて喜んでまたやろうだなんて」
「そ、そんなことないよ!たぶん……」
慌てて否定するナナの言葉にポポは苦笑いする。あれだけ恍惚とした置いた表情をしておいて、今更そんな事いわれても説得力がないよ、とポポは心の中でつぶやいた。ナナも心の中ではポポの言葉を否定できずにいて、私おかしくなっちゃったのかな、などと考えていた。
「はいはい、そうだね。ほら、あんまりその格好でいると冷えちゃうよ。シャワー浴びて、着替えようね」
「あ、うん」
ナナはシャワーを浴びるために、ポポの目の前で濡れた純白の下着と防寒服を脱ぎ、一糸纏わぬ姿になる。透き通るような白い肌と控えめに膨らんだ胸、それに濡れた股間があらわになり、ポポの下腹部の当たりがかあっと熱くなる。
「ナナ、肌、綺麗だね」
「あ、ありがと、でも恥ずかしいからあんまりじろじろ見ないで……」
ナナは胸と股間を手のひらで遠慮がちに隠す。しかしポポは興奮を抑えることができず、シャワーを浴びる前のナナに迫る。
「ね、ナナ、この後、時間ある?もしよかったら、ひさしぶりに、その、ほら、気持ちいいことしようよ……」
「……いいよ、ちょっと待っててね、体、綺麗にするから」
「うん、わかった、早くしてね」
結局二人は濡れた服の処分など後回しにして、ナナのシャワーが終わるや否やなだれ込むようにベッドイン。そのまましばし熱い時間をすごしたのだった。

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