有意義な休日の過ごし方 その3


ルイージと一緒に遊園地を回ることになったポポ達だが……
ルイージ「……………」
ポポ「…………どうしたの?元気ないけど…まさか僕が座ってたところに座ったらルイージさんまでバスに酔っちゃったとか?」
ルイージ「いや…」
ポポ「じゃあどしたの?心配なんだけど……」
ルイージ「……ホントは二人でいろいろ回りたかったんでしょ?僕がいても邪魔じゃない?」
どうやらルイージは二人に挟まれて、なんだか肩身が狭い思いをしているようだ。
ポポ「い、いや、そんな、そんなことないよ!ねえ?」
ナナ「う、うん……」
ナナがあわててこくこくとうなずく。
ルイージ「そう、それならいいんだ…そうだ、二人とも何に乗りたい?」
ポポ「えっと…僕あれ乗りたいな…」
ポポはそういうと、園内でもひときわ目立つ、ゆるゆると回っている観覧車を指差した。最高高が50mくらいありそうな、非常に大きな観覧車だ。
ルイージ「オッケー、観覧車ね…ナナちゃんもそれでいい?」
ナナ「はい…」
ルイージ「よし、じゃそうしようか」
というわけで早速観覧車の行列に並ぶ3人。行列といっても10人ほどしかならんでおらず、数分待っただけですぐに乗り込むことが出来た。最初に乗り込んだルイージが入って右側の席に着き、ポポとナナは反対側の席に座った。
ルイージ「やれやれ…思ってたより空いてて良かったね」
ナナ「ええ…」
ポポ「うん…ん?」
何かに気付いた様子のポポが足元のほうを見る。
ナナ「どしたの?」
ポポ「この床…地面が透けて見えるよ?」
ポポがそういって床板をとんとんと踏み鳴らす。確かにポポの言うとおり、床板はガラスで出来ており、地表面がくっきりと見えるようになっている。今はまだ低い位置にいるからたいしたことはないが、頂上近くでは結構スリルがありそうだ。
ルイージ「あっ、ホントだ…」
ナナ「やだ、怖い…」
ルイージ「大丈夫だよ、ちゃんと壊れないように設計されてるんだから…ほら…」
そういってルイージが思いっきり床板を踏み鳴らそうとしたとき、ポポが「バキッ!」と大きな声で叫んだ。
ルイージ「うわああああぁぁ!」
ナナ「ち、ちょっとルイージさん、いまのはポポ君が口で言ったやつだから…」
席からずり落ちたルイージの手をナナがとり、立ち上がらせる。ルイージが床を這いながら席に戻る。もっとも、これはポポを喜ばせるためのものだが…
ルイージ「はあ……驚かさないでよ、もう……ひどいよ…ああ…もう…やだ…」
ポポ「ごめんなさーい…そんなに驚くとは思わなくて…その…」
ポポがすまなそうに頭を下げる。
ルイージ「いや、そんなに謝らなくても(8割がた演技なのに……)…あ、ほらほら!二人とも見てみな、ちょうど今真下にクッパがいるよ!」
ポポ「あ、ホントだ、なにやってるんだろう?」
ナナ「子供達に囲まれてるけど……」


子供1「亀さーん、サインちょうだい!」
子供2「ちょうだーい!」
クッパ「だーかーらー、我が輩はここのマスコットじゃないっていってるだろー!」
子供3「亀さんがおこったー」
子供4「おこったー」
クッパ「があー!」


ナナ「何やってるんだろう…?怒ってるみたいだけど」
ポポ「さあ……?」
ルイージ「なんか怒ってるみたいだね…あ、ちょうどこの辺が一番高いところだよ、ほら、外を見てみなさい」
ルイージに言われたふたりが外を見渡す。この遊園地は海岸沿いに作られているため、この高さからは穏やかな海がよく見える。
ポポ「きれいだね…」
ナナ「うん…でもちょっと高い……」
ポポ「あ、ほんとだ…思ってたよりも高いね…下で見たときはそれほどでもなかったけど…なんかちょっと恐いかも」
ポポとナナが両足をそろえ、身体をちぢこませて座りなおす。ここに来ていきなり怖くなったらしい。
ナナ「……腕につかまってもいい?」
ポポ「あ、うん、いいよ」
ナナ「ありがと」
ポポの腕にナナががっちりとしがみつく。ポポは少し落ち着かない顔でルイージのほうを見る。
ルイージ(見せつけてくれるなあ…僕だってホントはデイジーと……)
ポポ「あ…そうだ、ルイージさん、写真とってくれる?僕カメラもって来たんだ」
ポポがポケットからデジカメを取り出す。ルイージはそれを受け取ると、小さくピースサインをするポポとそれにしがみつくナナをファインダー越しに覗き、シャッターを押した。
ポポ「ありがと!ルイージさんも撮ってあげるよ」
ルイージ「え、ああ、こんなポーズでいい?」
ルイージが妙なポーズをとったが、良くわからなかったのでなのでポポは突っ込まない。
ポポ「オッケー、はい、チーズ!」
ルイージ「ありがと………あ、そろそろ終わりだ…降りる準備をして」
ポポ&ナナ「はーい!」
ルイージに促されたポポがデジカメをポケットにしまう。程なくして、ルイージたちの乗っていたゴンドラは地上に戻った。係員がドアの鍵をはずし、ドアを開ける。
係員「お疲れ様でしたー」
ルイージ「どうもー、さて…つぎはどうする?」
ポポ「う〜ん…次はナナちゃんが決めてよ」
ナナ「えっと…じゃあ、あれがいいな」
ナナは遠慮がちに近くに見えるコーヒーカップを指差した。彼女はやはりこういう穏やかなのが好みのようだ。幸い今は待ち時間0で乗れるらしく、係員に声をかけるとすぐに案内してくれた。
係員「三名さまですか?」
ルイージ「いや、この子達を二人で乗せてやってください」
ルイージのこの言葉に、ポポは思わず「え?」と声を出した。
ポポ「ルイージさん乗らないの?」
ルイージ「ああ、二人で行ってきなさい」
そういってルイージは二人の背中を押す。せっかくのルイージの好意を無にするわけにもいかないので、二人はルイージの気遣いに甘えることにした。
ポポ「じゃあ…二人で行こうか」
ナナ「うん…じゃあ行ってくるね」
ルイージ「うん、あっちで待ってるからね」
二人はベンチの方へ向かうルイージを見届けると、係員からカップの操作方法を簡潔に教わり、早速カップに乗り込んだ。
ポポ「これをまわすんだよね…?んしょっ!……おおっ、回った!すごいすごい!まわるまわる!」
初めての体験に興奮したポポが物凄い勢いでカップを回す。ハンドルにしがみついているポポはともかく、ナナはふり落とされてしまいそうだ。
ナナ「ちょ、ちょっとポポ君、もうちょっとゆっくり、落とされちゃうよ〜…」
ポポ「あ、ごめんごめん…これくらいでどう?」
ナナの様子に気づいたポポが回転を弱める。
ナナ「あ、うん、これくらいで……」
ポポはこの言葉を聞くと、ハンドルから手を離して背もたれに身体を預けた。カップは静かに回っている。
ポポ「ふう、風が気持ちいいね………」
ナナ「うん………今なら二人きりだよね…」
ポポ「うん?……ああ、そうだね」
ナナ「あの……」
ポポ「……ん?」
ナナ「私……あの…」
ポポ「うん?」
ナナ「その……ポポくんのことが…」
と、ナナが思いを告げようとしたまさにその時、突然ポポ達の近くで回っていたカップが地面から外れ、がしゃんと大きな音を立てて引っくり返った。
ナナ「な、何?」
ポポ「なんだあ?」
二人がカップのほうを見やる。伏せられたカップの中からでてきたのは……ディディーとドンキーだった。どうやら力を入れすぎたまま回したらしい。
ディディー「アニキ!力入れすぎだよ!カップが外れちゃったじゃないかー!」
ドンキー「いてて…すまん…つい」
係員「お客様、大丈夫ですか!?おーい、医者呼べ医者!」
その様子を見てなんとなくテンションが落ちた二人は…
ポポ「降りようか………」
ナナ「うん…………」
係員「あれ?もうよろしいんですか?」
ポポ「はい…おーい、ルイージさん…」
ルイージ「おー!…あれ、あんまり楽しくなかった?浮かない顔してるけど」
ルイージが心配そうに二人の顔をのぞき込む。
ナナ「いえ…その…まあ……えと………」
ポポ「つ、次いこ次!今度はルイージさんが乗りたいのに行っていいから…」
ルイージ「そう?じゃあ…あれに乗ろうか」
ナナ「え…あれですか?」
ポポとナナは思わず一歩後ずさった。それもそのはず、ルイージが指差したのは二人が一千万積まれても乗らなそうなジェットコースターだったのだ。
ルイージ「観覧車みたいに遅いのは実はあんまりだけどこういうのは大好きだから、どうしても乗りたくてさ…さあ、行こう」
ナナ「いや………あの…」
ポポ「ちょっとあれは…僕らは見てるからルイージさん一人で乗ってきなよ」
ルイージ「えー、ひとりじゃつまんないよー、二人も一緒に乗ろうよ」
そういうとルイージは嫌がる二人の手をとって、無理矢理ジェットコースターのほうに引っ張ろうとする。
ポポ「やだやだ!絶対やだー!」
ナナ「ごめんなさい、わたしもちょっと…」
ルイージ「う〜ん…仕方ないなあ〜…じゃあひとりで乗るからここで待っててね、分かった?」
ポポ&ナナ(ほっ…)「わかった」
こうして仕方なく一人で乗り込むことになったルイージは、とりあえず一番スリルが楽しめる最前列席を確保して、コースターが出発するのを待っていた。
ルイージ「あ〜あ、隣に美女でも乗ってこないかなあ…」
と、その時横から誰かが「横の席失礼しまあす」と声をかけてきた。かわいい声に喜々として振り向いたルイージだったが…
ルイージ「あ、どうも…あれ、なんだ、ヨッシー?」
ヨッシー「ああ、ルイージさんじゃないですか、ポポ君たちはどうしたんですか?」
ルイージ「乗りたくないから下で見てるって…ヨッシーこそ一人なの?」
ヨッシー「いや、サムスさんたちと来てるんです、後ろに座ってますよ〜」
ルイージ「え?」
ヨッシーに促されたルイージが後ろを振り向くと、彼のいうとおりそこにはサムスとオリマーが座っていた。
サムス「はあい♪」
オリマー「やあ!」
ルイージ「へえ、珍しい3ショットだね…うん」
と、ルイージがひとりで頷いていると、ヨッシーが少し不安そうな、小さな声で話しかけてきた。
ヨッシー「あの〜…」
ルイージ「ん?」
ヨッシー「ふたりがあんまり誘うからつい乗っちゃったんですけど、僕……実はあんまりこういうの得意じゃないんです………これってそんな恐くないですよね?」
ルイージ「いや、…結構すごいらしいよ、特に一番前はね」
ヨッシー「え…?ほんとに?」
ルイージの話を聞いたヨッシーの頬を、冷や汗が一滴伝わった。その次の瞬間、発車のベルが鳴り響いた。
係員「それでは発車いたしまーす、楽しい空の旅を!」
ヨッシー「あわわわわわ…すいません……ちょっと、まだ心の準備が……」
錯乱して足をばたばたさせるヨッシーの声を置き去りにして、コースターは徐々に上昇していく。
ルイージ「お、おーい!二人とも見てるー?」
地上にいるポポたちに気がついたルイージは、大きく手を振って声にかけた。
ポポ「あっ、ルイージさん、やっほー!」
ナナ「恐くないですかー?」
二人も手をふって答える。
ルイージ「大丈夫だよ〜…おっ!もうすぐ落ちるぞー」
ヨッシー「いやあ、高いー!下ろして〜!」
と、ヨッシーが悲鳴をあげた次の瞬間、上昇を終えたコースターがすさまじい勢いで位置エネルギーを噴出し始めた。
ヨッシー「いやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
ルイージ「おおおおおお!結構すごいなあ!…ん?おいヨッシー!起きて!お〜い!」
突然ヨッシーが動かなくなってしまったことに気づいたルイージが声を張って話しかけるがヨッシーは動かない。サムス達もほどなくそれに気づき、後ろから声をかけてきた。
サムス「どしたのおお!?」
ルイージ「こいつ気絶してるうぅ!」
サムス「あらああああ!困ったわねええええ!」
オリマー「無理するからだよおお!」

ポポたちはルイージの乗ったコースターの乗り口の下で、彼が降りてくるのを待っていた。
ポポ「すごかったね〜…あんなの乗ったら気絶しちゃうよ」
ナナ「うん…私は絶対乗れないな…あ、ルイージさんが降りてきたよ!」
ポポ「ほんとだ、おーい!おかえり!あれ?ヨッシーさんどしたの?」
ナナ「だいじょうぶ?」
サムスに担がれているヨッシーに気づいた二人が、不安気にルイージの方を見やる。
ルイージ「ちょっと気分悪くなっちゃったみたいなんだ」
ナナ「あら大変…どっかで横になったほうがいいですよ」
ヨッシー「ふにゃあああぁぁぁ…」
サムス「あそこで寝かせてあげましょう」
そういうとサムスはへたっているヨッシー近くのベンチに寝かせた。ルイージ達も一緒についていようとしたのだが、サムスが「あなた達は他のところを回ってきなさい」と言ってくれたので、3人はヨッシーをサムスたちに任せて、昼食をとりにレストラン街へ向かうことにした。
ポポ「ごはんごはん〜♪…あれ?」
ナナ「何食べようかな〜…え?」
ルイージ「……あれ?」
なにやら様子がおかしい。お昼時であるにも関わらず、なぜかほぼ全てのレストランのシャッターが下りている。
ルイージ「おかしいな、なんでだろう…」
不審に思ったルイージは近くにいたレストランの店員に事情を聞いてみることにした。
ルイージ「すいませーん、お店やってないんですか?」
店員「申し訳ありません、材料が切れてしまいましたので…本日は…」
この言葉に三人が思わず絶句した。まだお昼なのになぜ材料がないのだろう?そのことをルイージが問いつめると店員は申し訳なさそうに口を開いた。
店員「その…ピンク玉のお客様が全部食材を食いつくされてしまいまして……」
ルイージ「ええ?あいつ……それでどこか開いてないの?」
ルイージが尋ねると店員はレストラン街の端にある、くっきりとした色使いのカラフルな店舗を示した。
店員「あちらのアイスクリーム屋だけはかろうじて難を逃れたんですが…あちらでよろしければ、現在お詫びに三割引となっていますので…」
ルイージはそんなもので腹がふくれるわけないだろうと口まで出かかったが、ポポ達が思いのほか嬉しそうな顔をしていたので、言葉を飲み込み、アイスクリーム屋の前までポポ達を連れていった。
ルイージ「あの〜…お昼ごはん、アイスでもいい?」
ポポ「いいよ?」
ナナ「私も」
ルイージ「そう…あとでちゃんとしたごはんに連れてってあげるから…いまはこれで我慢してね」
ポポ「いや、そんなこと言わないでよ、アイスクリーム好きだし……」
ナナ「そうそう……」
ルイージ「そう言ってくれると助かるよ、何味がいい?」
ポポ「えっと…じゃあバニラね」
ナナ「私はチョコがいいな…」
ルイージ「OK、僕は抹茶ね」
店員「かしこまりました、バニラとチョコと抹茶ですね」
ルイージは代金を支払い(もちろん三割引で)、アイスを受け取るとポポ達と並んで近くのベンチに腰をかけた。
ポポ「いただきま〜す!」
ナナ「いただきます…」
ルイージ「いただきます!」
ポポ「うん、冷たくておいしい」
ナナ「ええ…」
ルイージ「飽きるなあ……」
10分後…
ポポ「ふう……ごちそうさま…と」
ナナ「ごちそうさまでした…」
ルイージ「ふう、さて、次はどこに行く?今度はまたポポ君が決めて」
ポポ「う〜ん…じゃああの大迷路がいいな、楽しそう!」
ルイージ「よっしゃ、そうしよう!」

続き

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