Drの裏看病日誌


Drの看病日誌の続きです。


ポポが退院して以来、ふたりは自分の家で、誰にも邪魔されない穏やかな日々を過ごしていた。晴れた日には近くの山にお弁当を持って出かけたり、雨が降れば家で横に並んでテレビを見たり…が、そんな平穏な日々も長くは続かなかった。ポポが退院してから4日目、ナナが突然体調を崩して倒れてしまったのだ。自分からは言わなかったが、ポポを看ているうちにナナは知らず知らずストレスを溜め込んでいたみたいだった。
それでも「大丈夫だから、大したことないから…」と紅潮した顔で言い張るナナをポポが無理やり寝かしつけてから三日目の夕方。一時期は彼女が40℃近い熱を出してしまったためポポもかなり焦ったが、今はナナの体調もだいぶ落ち着いてきたところだ。今彼女は布団の中で横になりながら、体温を測っている。
ピピ、と電子音が鳴った。
ポポ「どう?」
ナナ「えっと……」
ポポ「見せてごらん」
ナナ「ん……」
ナナがわきから取り出した体温計をポポに手渡す。その目盛りは38.1℃を示していた。
ポポ「う〜ん、まだだいぶ高いね…ほら、お布団かけて」
ナナ「あ、うん…」
ポポ「ほらほら、ちゃんと肩までかけなきゃだめだよ…」
ナナ「あ、ありがと……ごめんね、いろいろ手間かけちゃって…」
ポポ「ううん、別に謝ることじゃないよ?」
ナナ「でも……」
ひどくすまなそうにする彼女に、気にしないでいいよ、とポポ。彼女に落ち込んだ顔はしてほしくなかった。彼女は「ありがとう」と言って再び顔を布団にうずめた。が、すぐに何かを思い出したように布団から顔を出した。
ポポ「どしたの?」
ナナ「あの…いま何時?」
ポポ「えっとね…五時だけど…何か予定でもあるの?」
ナナ「いつもこのくらいの時間にごはんの支度をしてるから……今日もそろそろ始めないと…」
そういって辛い体に鞭打って身を起こそうとするナナ。彼女の生真面目さはポポがいくら言っても変わりそうになかった。
ポポ「あ、だめだよ起きちゃ!」
ナナ「でも……」
まったく、ほんとに真面目っていうか、頑張り屋っていうか……さてここでポポは彼女になんと言ってあげるべきなのだろうか?


 「大丈夫だよ、ごはんなら僕が作るから」 ならへ。
 「出前でも取ろうよ、それなら作らなくても済むし」 ならへ。
 「一食ぐらい抜いても大丈夫だから、無理しなくていいよ」 なら14へ。





ポポ「まあいいよ、次頼むときは間違えないでくださいね」
コックカワサキ「ありがとうございます…で、ではこちらからもせめてものお詫びとして、そちらの代金を無料にさせていただきますので…」
ポポ「え、いいんですか?ラッキー、得しちゃった!ありがとう!」
ピョンピョンと飛び跳ねて喜ぶポポを見て、図体の割りに肝っ玉の小さい店員はほっと胸をなでおろし、もう一度頭を下げると、逃げるように外へ出て行った。
コックカワサキ「…そ、それでは失礼…」
ポポ「ばいば〜い!また来てね〜!」
ポポはさっきまでの怒りを完全に忘れたような、ふわふわした笑顔でナナの元にお盆を運んだ。
ポポ「お待たせ〜、待った?」
ナナ「ううん、そんなことないよ」
ポポ「はい、これナナちゃんのね」
ナナ「あ、うん、いただきます」
ポポ「僕もいただきまーす…ん、おいしい!そっちはどう?」
ナナ「うん、おいしいよ…あ、あれ?ポポ君が注文したのってカレーじゃなかったっけ?」
ポポ「え、ああ、なんか注文を取り違えちゃったんだって」
ナナ「へえ…それでどうしたの?」
ポポ「別に、しょうがないからそのまま受け取っただけだよ、なんか僕の分はお詫びにってタダにしてくれたけどね」
ナナ「へー、ポポ君、優しいんだね……」
ポポ「うん…まあ、ね…はは、は…」
ナナが真っ直ぐ見つめながらそういって来たので、ポポはなんだかお尻の辺りがむずかゆくなった。照れていることを悟られたくなかったポポが顔のほてりを悟られないよう、「さ、早く食べよ」と言って、半分こにする約束なんてすっかり忘れたままガチャガチャとうどんをかっ込み始めると、ナナもその動きを真似するようにうどんをすすり始めた。会話は一言も交わさなかったけれど、とても幸せなひと時だった。
エピローグ3 へ。




ポポ「あ……もしかして…僕の料理…まずそうに見えてる?」
ナナ「え…?あ…えと……あの……なんていうか、その」
ポポがいくらじっと見つめても、ナナは目をあわせてくれない。そんな彼女の腕を取り、ポポは優しく言った。
ポポ「お願い、正直に言って」
ナナ「…怒らない?」
ポポ「うん、もちろん」
こっくりと頷くポポを見て、ナナは声をしぼり出すように言った。
ナナ「その…あんまりおいしそうではないかなって…」
ポポ「そうか…確かにそうかもしれないなあ…で、でも見た目は悪いかもしれないけどおいしいんだよ…ほら、食べてごらん」
ナナ「うん……」
ポポに促されてこわごわと箸を伸ばして「牛肉のように見えないこともない何か」を小さくとり、うんっと飲み込むナナ。
ポポ「どう?」
ナナ「……」
さて、今彼女が口にしたのはポポが最初に焼いていた肉なのだが、あの肉を焼くときポポはそのとき油を敷いただろうか?


油を敷いて焼いた ならへ。
油を敷かずに焼いた なら13へ。




ナナ「出前かあ…うん、それがいいかもね、そうしようか…」
ポポ「よし、決まりね、なにが食べたい?」
ナナ「う〜ん…ちょっと前までお腹がごろごろしてたから…なにかあったかいものが…」
ポポ「えっと…じゃあ…あ、うどんとかどうかな?お腹にも優しいと思うよ」
ナナ「うん…」
ポポ「よーし、決まりね…えっと…おしながき…どこやったかな…あ、あったあった…どれがいい?」
ナナ「えっと…じゃあ…これ」
ナナはメニューの一番下にある鍋焼きうどんを指差した。880円とちょっと値段は張るけれど、風邪ひいてるときくらいはこのくらい贅沢してもいいよね、と一人で頷くポポ。
ポポ「オッケー、僕はカレーうどんにしようっと…じゃあ電話してくる…ん?どうしたの?」
ナナが自分の腕を引っ張っているのにきづいたポポは、ナナのほうに視線を落とした。
ナナ「ポポ君のもおいしそう……そっちにしよっかな…」
ポポ「じゃあ二人ともこれにする?」
ナナ「あ、うんと、でも……こっちも良いな……どうしようかな、う〜ん……」
ポポ「じゃあさ、両方とも頼んで、半分こしようよ、それなら両方食べられるでしょ?」
ナナ「…うん、分かった」
ポポ「よし、じゃ電話してくるね……あ、もしもし……ええと………出前をお願いしたいんですけど………ええっと………はいそうです…住所は……はい……カレーうどんと、あと鍋焼きうどん……はい、じゃあ、失礼します…」
さて、ここで運試しとして、サイコロをひとつ振れ。出た目が


1だったら12へ。
それ以外ならへ。




電話をしてから30分ほどすると、ドアをノックする音と「おまちどうさまでーす」という大きな声がした。ポポがドアを開けると、そこには気のよさそうな大柄な男が立っていた。
店員・コックカワサキ「お待ちどうさまで〜す」
ポポ「あ、お疲れ様です〜、はい、お金」
コックカワサキ「ありがとございました、熱いのでお気をつけ下さい、器は後程下げに伺いますので」
ポポ「は〜い、帰り気をつけてくださいね」
コックカワサキ「はい、では失礼します」
ポポは手を振って大きな背中のカワサキを見送ると、ナナの元に二つの丼が乗せられた盆を持っていった。
ポポ「お待たせ〜」
ナナ「あ、ありがと」
ポポ「はい、ナナちゃんこっちね、さ、いただきま〜す!」
ナナ「いただきま…」
……ずず……ずず……
ナナの声をかき消すほど大きな音でうどんをすするポポ。
ポポ「…ん、おいしい!そっちはどう?」
ナナ「う、うん、おいしいよ」
ポポ「あ、そうだ、分けっこしなきゃね、はい、どうぞ」
ポポがそういって丼を差し出すと、彼女も自分の持っていたそれを渡してくれた。ポポは彼女から器を受け取るとまた勢いよくすすりはじめた。
ポポ「ありがと、ん、こっちもんまい…」
ナナ「あれ…?あ、あの…」
満足そうなポポのすそを真っ赤な顔をしたナナが引っ張ってきた。また気分が悪くなったのかな、と一瞬思ったが、どうもそうではないようだ。
ポポ「どうしたの?」
ナナ「あ、あの、それ…」
ポポがナナの指差すほう―――自分の手元、を見ると、そこにはナナ愛用の、ピンクの箸をしっかり握る自分の手があった。
ポポ「ん?…あ!ご、ごめん、間違えた…はい、返すね…」
ナナ「うん………あ、あの、こ、これって、か、間接、キスだよね……」
ポポ「…そ、そうだね……」
ナナ「…」
ポポ「…」
それから二人はお互いうつむいたまま、無言でひたすら顔のほてりと戦いながらうどんをすすった。声をかけたら頭がゆだってしまうような気がしたから。
エピローグ1 へ。




ナナ「…え?大丈夫?」
彼女は不安そうに上目遣いでポポを見ている。ポポはそんなに信用ないのかなあ、とちょっと悲しくなったけれど、無論彼女にそんな顔は見せない。
ポポ「もちろん!まっかせなさいって!」
ナナ「でも……ポポ君料理苦手じゃなかった?」
ポポ「大丈夫だって!心配ないから任せてよ!」
ナナ「…わかった…怪我しないように気をつけてね、ご飯は前に炊いたのがあるから…」
ポポ「わかった!」



10分後。ポポは冷蔵庫の前で途方に暮れていた。いろいろと食材はあるのだが、まともに料理を作ったことがないのでここから何を作ればいいのか一切思いつかない。
 こんないっぱいある中から毎回ちゃんと必要なものを選んでおいしい料理が出来るナナちゃんはすごいなあ…なんてことを考えている場合じゃない、早くご飯を作んなきゃ………………よし!考えるぞ!


……


だめだ、いくら考えても何も思い浮かばない!こうなったら、適当に作っちゃえ!これが男の料理だあ!

…………いろいろあるなあ、これ何の肉なんだろ…ま、いいか、とりあえず使っちゃおう、あとは…お、大根がある、これも使っちゃお…ん?このタレみたいのはなんだ…?あ、うなぎとかにかけるあれか!(実は黒みつ)よし、あとはこれとこれと……よし、とりあえずこれでなんか作ってみよう、フライパンは…あれ、ない……あ、あった、これだ!よし、とりあえずお肉を焼いてみよう…あれ?えっと…フライパンでお肉を焼く前には確か油を敷かなきゃいけなかったような……いや、焼いているうちに油が自然に出てくるからいらなかったような気が……

さて、どうする?油を敷くか敷かないかを決め、それを記憶してから次の文章に進むこと。

肉を焼いていると突然、脂がはねて顔にかかった。
ポポ「あっつぅ!ひ、冷やさなきゃ…」

キャベツを切っていたら指先を切った。
ポポ「いたっ…!あっ…もお…、と、とりあえずガーゼを…」

箸を足の上に落とした。
ポポ「あっ……!ああっ…い、痛い…くうっ…」

フライパンのふちに手をぶつけた。
ポポ「あっつ!かぁ〜…んも〜……フライパンなんか嫌いだあ!」



ナナ「あの……」
と、突然、後ろから声をかけられた。振り向くとそこには不安そうな顔のナナがいた。
ポポ「あ、ナナちゃん、駄目だよ寝てなきゃ…」
ナナ「けど…ほんとに大丈夫?やっぱり私が…」
ポポ「大丈夫だから、ほら、寝て寝て!」
ナナ「あっ…」
弱々しく声をかけてきたナナを、無理やり寝かしつける。


それからさらに一時間後。
ポポは卓の上に並んだ手料理を満足そうに眺めていた。見た目は若干悪かったが、それでもポポは満足だった。こんな事をしたのは生まれて初めてだったかもしれない。
ポポ「よし、これならナナちゃんも喜んでくれるはずだ…おーい!ごはん出来たよ〜、おいで〜!」
ナナ「は〜い…」
ポポ「さ、座って座って」
ナナ「うん…ん?」
テーブルの上に並べられていた料理に目をやったナナの眠そうだった目が、一瞬で真ん丸く開いた。
ポポ「ほら、これ全部僕が作ったんだよ、おいしそうでしょ、さ、どうぞ召し上がれ♪」
ナナ「あ、あの…こ、これはなに?」
ポポ「ん…?」
ナナ「これ…」
テーブルの上にある「牛肉のように見えないこともない何か」を、おそるおそる指差すナナ。
ポポ「えっと……まあいいからいいから、さ、はやくしないと冷めちゃうよ」
ナナ「え、あ、うん…でも、あの…」
ポポ「どうしたの?お腹すいてたんじゃないの?」
ナナ「えっと、そうだけど、あの…」
ポポ(あれ…おかしいなあ?)
さあ、ナナの気持ちを汲み取れ。

「僕の作った料理がおいしくなさそうに見えているのかな」 と思うならへ。
「いや、きっと僕に食べさせてほしいんだ」 と思うなら10へ。




ナナ「え…?………ポポ君、何言ってるの?」
ポポ「やだなあ、冗談だよ、冗談……」
ナナ「やだ…ポポ君がおかしくなっちゃった…」
ポポ「あ、あの?ナナちゃん?」
ナナ「ポポ君…怖いよ…へんなこと言わないで…」
ポポ「あ、あの、もしもし…?」
それからポポが何を言ってもナナは布団にもぐりこんで震えたまま何も答えてくれなくなった。自分一人じゃどうしようもなくなったポポは、Drマリオに電話をかけて事情を説明すると、彼はすぐに駆けつけてくれた。何があったんだ、とたずねるDrにポポはすべてを伝えた。
エピローグ4 へ。




ナナ「……あ、あの…」
ポポ「どう?」
ナナ「その…あの…えっと、なんていうか…あの…」
ポポ「……おいしく…ない?」
ナナ「……」
ナナは今にも泣き出しそうな、潤んだ目でポポの目を覗くと、こくんと小さく頭を縦に振った。
ポポ「そう、ごめんね…一生懸命頑張ったんだけど…」
ナナ「そ、そんな…」
ポポ「…………」
ナナ「…………」
気まずい沈黙が流れる。
ポポ「……あ、あの…」
ナナ「…?」
ポポ「あ、あのさ…えと…そうだ、インスタントラーメン作ってあげよっか、それくらいならちゃんとできるからさ、ね?」
ナナ「あ、うん、じゃあ、お願い…」

10分後…

ポポ「おまたせ……はい」
ナナ「あ、ありがと」
ポポ「今度はどう?」
ナナ「うん、おいしいよ、いつもよりおいしいよ!」
ナナは嬉しそうに、ポポの一番好きな顔でにっこりと笑った。
ポポ「そ、そんなあ、いいよそんな気を使わないで…」
ナナ「ほんとだってば、絶対いつもよりおいしいよ!」
具も入っていないただのラーメンなのに、ナナはとっても嬉しそうだったので、ポポも喜んでくれたからまあいいか、という気持ちになった。
ポポ「あ、そうだ、風邪が治ったらさ、僕に料理教えてよ…今度ナナちゃんが風邪引いたときはおいしいもの作ってあげられるようになりたいからさ…」
ナナ「うん、いいよ!」
ポポ「よし、決まりね!」
貧しい食事だったが、それでも二人は幸せだった。エピローグ2 へ。




ポポ「…なんだ、楽しみにしてたのに…」
ふてくされた様な顔でポポが店員の顔をにらむと、ガタイの割りに気の弱い店員は今にも泣きそうな顔でその頭をさらに深く下げた。
コックカワサキ「す、すいません、こちらの代金は無料に致しますのでどうかご勘弁を…」
ポポ「はあ…なら、まあいいや、次からは気をつけてくださいよ」
コックカワサキ「はい、すみませんでした…」
店員は何度も頭を下げると、うなだれたまま玄関を閉めた。
ポポ「まったくもう…まあ、ただになったし良いか…」
まだ完全に腹立ちが収まってわけではなかったが、こんな顔してちゃナナちゃんも喜ばないよね…と思ったポポは、頭をひとつこくんと振ると、またいつもの笑顔に戻ってお盆を持ってナナの元へ向かった。
ポポ「お待たせ〜、待った?」
ナナ「ううん、大丈夫」
ポポ「はい、これナナちゃんのぶんね」
ナナ「あ、ありがとう、いただきまーす」
ポポ「僕もいただきまーす…ん、おいしい!そっちはどう?」
ナナ「うん、おいしいよ…あ、あれ?ポポ君が注文したのってカレーじゃなかったっけ?」
ポポ「え、ああ、なんか注文を取り違えちゃったんだって」
ナナ「へえ…それでどうしたの?」
ポポ「もちろん文句言ってやったよ、そうしたらなんかタダになったけどね」
ポポは胸を張ってそういったが、ナナはなんだか複雑な、どことなく困ったような表情を浮かべていた。ポポはあわてて付け加えた。
ポポ「あ…僕、大人気なかったかな?」
ナナ「あ、ううん、怒っていいと思うよ、ポポ君が悪いんじゃないもん……でも…私だったら怖くてちょっと言えないかも……」
ポポ「そうかあ…あ、早くしないと伸びちゃうよ、さ、食べよ」
ナナ「うん……ポポ君、すごいな…」
ポポ「ん?なんか言った?
ナナ「う、ううん、なんでもないよ!」
ナナが改めて惚れ直していることには、気づかないポポであった。
エピローグ3 へ。



10
ポポ「しょうがないなあ、おいで」
ナナ「?」
きょとんとした顔のナナを座らせると、ポポはその「牛肉のように見えないこともない何か」を一口分とってナナの口元にゆっくりと差し出した。
ナナ「…?」
ポポ「ほら、あ〜ん」
ナナ「えっ…!?あ、いや、その、わたし…」
ポポの突然の行動にびっくりしてしまい、真っ赤な顔で顔をぷんぷんと振るナナ。
ポポ「遠慮しないでいいよ、ほら」
ナナ「ち、違うの、そうじゃなくって…」
ポポ「またまた照れちゃってえ〜」
照れてる顔も可愛いなあ、なんてことを考えながら、ナナの首筋に手を回し、ちょっと強引にナナにその「牛肉のように見えないこともない何か」を食べさせる。
ナナ「ん、ちょっと、んんっ!」
ポポ「どう?おいしいでしょ?」
さて、今彼女が口にしたのはポポが最初に焼いていた肉なのだが、あの肉を焼くときポポはそのとき油を敷いただろうか?
油を敷いた ならへ。
油を敷かなかった なら11へ。



11
ナナ「ん……おいしい!」
ポポ「でしょ?はい、つぎ、あ〜ん」
ナナ「ん…」
ポポ「どんどん食べてね、いっぱい作ったから」
ナナ「う、うん……あの…」
ポポ「ん?」
ナナ「あ、あの…」
一人で食べられるから大丈夫だよ、とのど元まで出かけたナナだったが、ポポが自分に食べさせているときの、あまりにうれしそうなとろけそうな笑顔を見ると、どうしてもそうは言えなかった。
ナナ「な、なんでもないや…」
ポポ「…変なのー、まあいいか、ほら、あーん」
ナナ「ん…」

15分後…

ポポ「はい、次…」
ナナ「あ、もういいよ、ごちそうさま」
ポポ「あ、そう、わかった…お腹いっぱいになった?」
ナナ「うん、食べさせてくれてありがと」
ポポ「いやあ…あははは」
ナナ「じゃあ…私、お風呂はいってくるね」
ポポ「うん、のぼせないように気をつけてね」
ナナ「わかった」
ポポはまだちょっとおぼつかない足取りのナナを見送ると、先ほどまでの幸せな時間の余韻に浸りながら、一人で「牛肉のように見えないこともない何か」を食べ始めた。ちょっと寂しかった。エピローグ1へ。



12
出前の電話をしてから約45分たったわけだが、いまだに注文したものが届かない…。
ポポ「遅いね…」
ナナ「そうだね、道に迷ったのかなあ」
ポポ「かもね〜……」
もう一度電話してみようかな、とポポが思ったまさにそのとき、玄関がノックされた。ポポがちょっとむっとした顔でドアを開けると、そこには気のよさそうな大柄な男が立っていた。
店員・コックカワサキ「お待ちどうさまで〜す」
ポポ「あ、どうも〜、おそいですよー」
コックカワサキ「すいません、道が混んでいたものですから…えーと、こちらが鍋焼きうどんで、こちらが鴨南蛮うどんになっております、熱いのでお気をつけくださ…」
ポポ「え?僕が頼んだのは鴨じゃなくてカレーうどんだったはずなんだけど…間違ってないですか?」
コックカワサキ「えっ?おかしいな、少々お待ち下さい、確認をとってみます」
そういって電話をかける店員。数分後電話を切ると、真っ青な顔で頭を下げてきた。
コックカワサキ「も、申し訳ありませんお客様、こちらの勘違いで注文を取り違えてしまいました…!」
ポポ「えーっ!?そんなあ!ひどおい!」
コックカワサキ「す、すみません…」
さて、どうする?

文句を言う ならへ。
仕方ないので許す ならへ。



13
ナナ「……」
ポポ「どうなの?」
ポポ問いかけに、ナナはにぱっと白い歯を見せて笑った。
ナナ「…おいしい!」
ポポ「でしょ?だから言ったじゃ〜ん」
ナナ「…ほんとにすごいよポポ君、こんな美味しいもの作れるなんて…どうやって作ったの?」
ポポ「え?……ま、まあいいじゃない、そんな細かいことは、あはははは」
ナナ「…?」
適当に作っただなんていえないよ、と思ったポポは笑ってごまかした。
ポポ「さ、僕も食ーべよ、いただきまーす!」
ナナ「あ、あの…」
ポポ「なに?おかわり?」
ナナ「…さっきはごめんね、せっかく一生懸命作ってくれたのにおいしくなさそうなんて言って…」

ポポ「あ、いいよいいよそんなこと気にしなくて…そんなことよりいっぱい食べて早く元気になってね」
すまなそうにうなだれるナナの頭をポポがそういって撫でてあげると、彼女も嬉しそうに「うん!」と頷いた。いやあ、よかったよかった。
エピローグ1 へ。



14
ナナ「で、でも…」
ポポ「大丈夫だよ、一日二日喰わなくたってなんにもなんないよ」
ナナ「そうじゃなくて、その…」
ポポ「?」
ナナ「私が、おなか空いてるから、だから…」
ポポ「え?あ、そ、そうか、ごめん、そうだよね…でもよかった、お腹がすくのは元気になりかけてる証拠だよ」
ナナ「そっか、良かった…で、どうしよっか」
ポポ「うんと…」
さて、ここでポポはなんといってやればいいのだろうか?
「じゃあ僕が作ってあげるよ」 ならへ。
「なら出前をとろうか」 ならへ。
「そんなにおなかが減ってるなら僕を食・べ・て」 ならへ。



エピローグ1

翌日。特に予定もなかった二人は目覚ましもセットせず、昼までゆっくりと布団の中でまどろんだ。
ポポ「んん…な、なんだ、もう12時か…ナナちゃん、起きて、もうお昼だよ…」
ナナ「ん…んん…あ、ポポ君、おはよ〜…ふああ……」
ポポ「おはよ〜、よく眠れた?」
ナナ「うん…」
ポポ「そう、よかった…あ、そうだ、熱はかってごらん、ほら、体温計」
ナナ「ん…」

10分後…

ちち…と電子音が鳴った。
ポポ「あ、10分たったよー、出してー」
ナナ「はい…」
ポポ「どれどれ…あ、ちょうど37.0℃だ、よかったね、だいぶ下がったよ」
ナナ「うん…」
ポポ「どうする?もう今日は起きちゃう?それとももう一日ゆっくり寝る?」
ナナ「う〜ん…もうちょっと寝ていいかなあ…?」
ポポ「いいよー、僕はもう起きるからなんかあったら呼んでね」
ナナ「わかった、ありがと」
ポポ「じゃ、おやすみ」
ナナ「おやすみなさい……」
そういってナナは布団にくるまると、ものの数分もしないうちにすうすうと小さな寝息を上げ始めた。まだ完全に風邪が抜けたわけではないみたいだが、それでも一時と比べればだいぶ楽になったようだった。
翌日になると彼女の熱は完全に下がり、二人はいつもの穏やかな日々を取り戻したのだった。



エピローグ2 

翌日。特に予定もなかった二人は目覚ましもセットせず、昼までゆっくりと布団の中でまどろんだ。
ポポ「んん…な、なんだ、もう12時か…ナナちゃん、起きて、もうお昼だよ…」
ナナ「ん…んん…あ、ポポ君、おはよ〜…ふああ……」
ポポ「おはよ〜、よく眠れた?」
ナナ「うん…」
ポポ「そう、よかった…あ、そうだ、熱はかってごらん、ほら、体温計」
ナナ「ん…」

10分後…

ちち…と電子音が鳴った。
ポポ「あ、10分たったよー、出してー」
ナナ「はい…」
ポポ「どれどれ…37.4℃か、まだちょっと高いね…」
ナナ「うん…」
ポポ「それじゃあ、僕は起きるけど、ナナちゃんはちゃんと寝ててね、まだ完全に治ったわけじゃないみたいだし…」
ナナ「わかった…」
ポポ「じゃあなんかあったらすぐ呼んでね」
ナナ「わかった、ありがと」
ポポ「じゃ、おやすみ、お大事にね」
ナナ「うん、おやすみなさい……」
そういってナナは布団にくるまると、ものの数分もしないうちにすうすうと小さな寝息を上げ始めた。まだ完全に風邪が抜けたわけではないみたいだが、それでも一時と比べればだいぶ楽になったようだった。
3日もすると彼女の熱は完全に下がり、二人はいつもの穏やかな日々を取り戻したのだった。



エピローグ3 

翌日。特に予定もなかった二人は目覚ましもセットせず、昼までゆっくりと布団の中でまどろんだ。
ポポ「んん…な、なんだ、もう12時か…ナナちゃん、起きて、もうお昼だよ…」
ナナ「ん…んん…あ、ポポ君、おはよ〜…ふああ……」
ポポ「おはよ〜、よく眠れた?」
ナナ「うん…」
ポポ「そう、よかった…あ、そうだ、熱はかってごらん、ほら、体温計」
ナナ「ん…」

10分後…

ちち…と電子音が鳴った。
ポポ「あ、10分たったよー、出してー」
ナナ「はい…」
ポポ「どれどれ…あ、ちょうど36.5℃だ、よかったね、これならもう大丈夫だよ」
ナナ「うん…」
ポポ「どうする?もう今日は起きて普通にする?それとももう一日ゆっくり寝る?」
ナナ「う〜ん、寝てるのももう飽きたし、今日は起きててもいいかな?」
ポポ「わかった、じゃあ…外は暑いし、トランプでもして遊ぼうか」
ナナ「うん、そうしよう」
ポポ「よーし、負けないからね!」
こうして二人は平穏な日々を取り戻したのだった。



エピローグ4
ポポの話を聞きおえると、Drはポポの頭をぺちんとたたいた。
Drマリオ「馬鹿っ!」
ポポ「いたっ…」
Drマリオ「風邪で弱ってる人にそんな不安感を煽るようなことを言うな!彼女が怯えちゃうだろ!」
ポポ「そんなあ…冗談のつもりだったのに…」
Drマリオ「まあ、お前はそう思っていたのかもしれないけど…でもそういうこと言っちゃだめだって、あの子はただでさえ敏感なんだから…わかったか?」
ポポ「はい、ごめんなさい…」
Drマリオ「ほら、ナナちゃん、出ておいで…」
ナナ「………」
ポポ「ナナちゃん、お願い、出てきて…もう変なこといわないから…」
結局ポポは自分を責めまくって落ち込むわ、ナナは布団から出てこないわでてんやわんやの大騒ぎ。
結局二人は彼女の風邪が治るまでの間、ずっとギクシャクしたままだった。

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