大阪100円生活/いしいひさいち

いしいひさいちさんの4コマ+エッセイです。いしい氏のデビュー作「バイトくん」のリメイク版です。



大阪の貧乏学生3人を主役に据えており、貧乏暮らしの中でも前向きに、というか斜め上に生きているバイトくんたちが笑いを誘います。



300円牛丼が狂牛病の影響でなくなってしまい、牛丼屋が代替案として豚丼を出してきたことに対してバイトくんは「俺はそもそも紅ショウガを食いに来てたのさ」としれっと発言。豚丼に紅ショウガを山盛りにしてかっ込む姿はたくましいの一言に尽きます。



バイトくんがなぜ貧乏生活から抜け出せないのか考えながら見るのも面白い作品です。正しい戦略もなくやたらめったらとバイトに精を出すバイトくんを見ていると、「それじゃいつまでたっても貧乏なままだよ」と思います。清貧という言葉に惑わされず、貧乏であることを過剰に美化せず、ありのままに伝えている良作です。



ただ、作者の生きた時代と私の生きた時代がずれているせいで「ん?」と思うシーンもあります。学生運動なんかをネタにしたものは正直理解できませんでした。私らの世代には・・・と勝手に世代を代表するのも無理があると思いますので、私にはといいます。



私には学生運動は単なる行き場のないフラストレーションを開放するだけのバカ騒ぎにしか思えません。結局ああした反体制運動に参加していた人間も今は企業の上層部というバリバリの体制側に収まっているのを見ると、結局この人たちには何の理念もなかったのだなと思ってしまいます。

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