こわい伝言/佐野洋

佐野洋氏の全8作からなるミステリー短編集です。

どの作品も現代(1980年代)の日本を舞台としています。少し古い作品なのですが、あまり古臭さは感じません。



登場人物が限られているため犯人が誰か推理するのはそれほど難しくありませんが、殺人に至る動機の描写が丁寧で、読んでいて納得感があります。



どの作品も非常に丁寧な作りをしているため、ミステリーを普段あまり読まない私でもすっと読むことが出来ました。



おすすめは「好きなように」と「こわい伝言」。どちらの作品も「私」を主軸にストーリーが展開していきます。実は両作品の犯人はほかならぬ「私」自身なのですが、「私」と対峙する人物に徐々に犯罪を暴かれていく様子はなかなかに緊迫感があります。



ただ、一冊の中に3人称視点の作品と1人称視点の作品が混在しているのには若干違和感があります。それが許容できるならば読んでおいて損はないでしょう。

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