トカゲ王の島

あの悪名高き混沌の街、ポート・ブラックサンドから100キロほど南下したところにある小さくも平和な漁村、オイスター・ベイ。長い半島の先端にあるこの町はもっと内陸部の険しく曲がりくねった崖道に守られており、そこに住む漁師とその妻たちは怪物や妖術師に悩まされることもなく、至って平和に暮らしていた。

ファングから南下していた君は、数日の休憩を取ろうと思い立ち、旧友マンゴが住むオイスター・ベイへと向かうことを決め、愛馬に拍車をかけた。それから二日後、無事オイスター・ベイにたどり着いた君は昔と変わらない町並みに安堵するが、なぜか最初に出会った村人の女性は涙ぐんでいた。彼女に近づこうとすると、近くの小屋から数人の男が飛び出してきて、君に敵意をむき出しにした。その中の一人に旧友マンゴを見つけ、君は驚く。彼は君に気がつくと歓迎の挨拶もそこそこに、この村で起きた悲しい出来事について話し出すのだった。

平穏だった村に異変が起きたのは数週間前のこと。火山島に住むトカゲ兵の一段が突然こちらに上陸し、村の若者たちを連れ去ってしまったのだという。彼らはきっと今頃金山で奴隷として働かされている、とマンゴが話す。君がマンゴに協力を申し出ると、村の漁師たちは口々に礼を述べる。トカゲ王を討ち負かし、オイスター・ベイの若者たちを救えるかは、君の手にかかっている!

本作はファイティング・ファンタジーの第7巻。舞台はアランシア西方の小さな漁村、オイスター・ベイの近隣にある火山島です。オイスター・ベイを訪れた主人公は旧友のマンゴから、村の若者たちがトカゲ王率いるトカゲ兵たちに拉致されてしまった事を聞かされます。彼らは火山島で奴隷として働かされ、多数の死者も出ているというのです。正義感に燃える主人公はマンゴと火山島に乗り込み、奴隷たちを解放する事を決意しますが、マンゴは志半ばに戦死してしまいます。主人公は死んでいったマンゴのために、そしてとらわれの奴隷たちのために、トカゲ王の討伐を誓います。

山島では本土とはまた別の生き物、例えば密林小人首狩り族スライム・サッカーなどといった種族と出会うことになります。それらの危険を乗り越えた主人公は、金山で働かされている奴隷たちを解放するのですが、そこでエルフの一人にトカゲ王にこのまま挑むのは自殺行為であると教えられます。トカゲ王はゴンチョンという生きることすら許されざる生き物によって支配されており、たとえトカゲ王を殺したとしてもゴンチョンは死なず、また別の生物に寄生してしまうというのです。このゴンチョンを殺す方法は島の呪術師のみが知っていると教えられた主人公は、いったん奴隷たちとは別行動を取って呪術師を探しに行くのですが、この呪術師に知恵を授かる代償として課される試練を乗り切るのががまた大変です。しかし、この試練を乗り越えなければゴンチョンの弱点を知ることはできません。ゴンチョンの秘密を知った後は、いよいよトカゲ王の対決となります。やつを倒すことができれば、きっとマンゴも浮かばれることでしょう。
トカゲ王ご本尊とそのペット。

本作品の一番の見所はなんと言ってもトカゲ兵の軍団。彼らは今までの作品に登場した無秩序な軍団とは違い、上下関係がはっきりしている上に非常に統率が取れています。また、トップのトカゲ王も自身の弱点であるところの炎の剣を錆びた剣に見せかける魔法を使うなどの小賢しい知恵を使ってくる強敵ですが(ゴンチョンがそうさせているだけなのですが)、どうしようもなくサルが苦手という意外な一面を持っています。一方、そのトカゲ王を支配するゴンチョン自体の戦闘力はたいしたことがないものの、寄生した相手を完全に支配してしまうというとんでもない能力の持ち主であるため、油断はできません。寄生主のトカゲ王を倒したからと言って調子に乗ると、痛い目を見ることになります。

それにしてもマンゴといいサムライの剣の茂市といい、恐怖の幻影のエリック・ルーンアックスといい、なんでFFシリーズの主人公の仲間は悲惨な末路をたどるのでしょうか。……ジャクソンとリビングストンは「所詮人間死ぬときは一人」ということを伝えたかったのでしょうか?

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