君ならどうする食糧問題

君は政府の大臣だ。君は絶大な権力を持っており、国民のみんなに食料が行き渡るようにすると言う使命を持っている。使命を達成するために君はさまざまな努力をしなければならない。



主人公は政府の大臣、つまり最高責任者。目的は国の食料事情を解決していくことです。

ゲームの開始したらまずは、主人公のいる国がどのような状態に置かれているのかをコイントスで決定します。国の種類は「農業の生産性が高く、賃金も高く豊かさを象徴するものもたくさんあるが、人口が多いわりに農業人口が少ない国」「気候が悪く農業の生産性も低いが鉱石がよく取れ、国民は鉱業や鉄道で働いており雇用があるため、貧しい近隣諸国からの人口流入が激しい国」「資源がなく、農地も狭くて貧しく国民の大半が飢えている国」など全部で8種類。生活レベルや環境に差はあれど、どの国もそれぞれ食糧に関する問題を抱えているというわけです。

 
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国の種類が決まったら今度は、国ごとに抱えている問題をさまざまな政策で解決していきます。選択肢はたいていの場合2択で、他のゲームブックと比較すると選択肢の幅は少なく感じます。また、政策を実行して一つ問題を解決するとすると他の問題が発生することもしばしばです(例えば、貧しい国民のために安い食糧を輸入しようとすると農民に抗議されるなど)。

また、展開によっては主人公は人種間によるトラブルや隣国との環境問題など、現実でも起こりうる、あるいは既に起きている問題と直面するかもしれません。一国の一つの問題を解決しようとしていただけなのに、他の領域や国に影響を及ぼしてしまうというのは、現実でもよくある話です。そのようなことを子供たちに(あるいは大人にも)理解するしてもらううえで、本書は良い教科書になるかもしれません。本書にはそんな「リアルさ」があります。

安い輸入食糧に反発する農民や貧しい農民を使い捨てる金持ち地主、貧しい主人公の国の人間を下に見る外国人など、現実的かつ自分本位な登場人物たちも、「リアルさ」に拍車をかけています。一番自分本位なのはどんなに失政を続けようが国の最高責任者であり続ける主人公かもしれませんが。

本作の不満点としては、国が8つあるのにエンディングが8つ用意されていないこと(私の見落としがあるかも知れませんが)あげられます。つまり、国の初期状態が違うのにゴールはだいたい同じという構造になっているわけです。国の状態が違えば食糧問題の解決方法も違うと思うのですが。

ところでこの作品の著者M・アラビー氏は何者なのでしょうか。名前でgoogle検索してみたところ、同じ名前の方が書かれている気象や恐竜絶滅に関する本が見つかったのですが、本人なのか、同姓同名の別人なのかは分かりませんでした。ご存知の方は教えていただけると助かります。

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