恐怖の神殿

オオカミの遠吠えが聞こえる満月の夜に生まれた邪悪の子・マルボルダス。闇エルフに育てられた彼は悪の力を追求し、エルフの王族としての地位を引き継ぐための試験に挑んだ。南のどくろ砂漠から失われた都ヴァトスに行き、龍の飾りを見つけて呪文を唱えること。それが彼の試験だ。さすれば龍は命を吹き込まれ、悪に仕えるようになる。企みが実現されればマルボルタスは半ば無限の力を持つようになり、無秩序界の王となって破壊と死をアランシアにもたらすだろう。それを防げる者はもはや君しかいない。

ファイティングファンタジーシリーズ第14弾です。主人公の目的はストーンブリッジからポート・ブラックサンド、さらにはどくろ砂漠から失われた都ヴァトスへと移り、マルボルダスの探している5つの龍の飾りを探し出して破壊し、奴の企みを阻止することです。

今回の主人公は冒頭でヤズトロモから魔法を学びます。習得できる魔法は10種類の中から4種類。どの魔法を選んでもとりあえずクリアできるようにはなっていますので、好みで選んでしまっても構わないでしょう。選ぶ魔法によって体力点を消費する(水の術のみ例外)のは、ソーサリーと同様です。

シーンは大きく分けて前半のヴァトスを探すまでのシーン、後半の5つの龍の飾りを探すシーンに二分できます。ヴァトスは失われた都と呼ばれるだけあって、人里離れた過酷な環境に存在していますが、実はここまでたどり着くのはそれほど難しくありません。どくろ砂漠の環境は昼は酷暑、夜は極寒で大変過酷ですが、途中で手助けしてくれる人もいます。

それよりも問題となるのはヴァトスで龍の飾りをどうやって見つけるかです。主人公側の動きに気が付いたマルボルダスは死の使者を差し向けてきます。死の使者は常に主人公の行く手を先回りし、「DEATH」という言葉を仕掛けてゆきます。もし道中でバラバラに張り巡らされた5つの文字をすべて見つけてしまった場合、主人公はなすすべなく生気を吸い取られてしまいます。

つまり、通常のゲームブックでは有効な「ありとあらゆる騒ぎに首を突っ込んで必要なアイテムを見つける」という手段が通用しないわけです。かといって「DEATH」の文字を避けようとすれば、大事な龍の飾りを見逃す可能性が高くなるわけです。何ともいやらしい仕掛けです。

まあ、実際のところDEATHの5文字をすべて見つけることはめったにない(光の術が使えなければAの文字を見つけることが出来ない)ので、あまり気にする必要はないと思います。

闇の王マルボルタス。

ただ、龍の飾りがどこにあるかのヒントが何もないため、最初のプレイでゴールまでたどり着くのは至難の業といっていいでしょう。実力のみならず運にも恵まれた人だけが、5つの龍を見つけることが出来ます。このあたりの理不尽な難易度の高さは、もう少し何とかならなかったんでしょうか。

ところで、この作品には一つ矛盾点があります。マルボルダスの目的は龍の飾りを5つすべて見つけることです。それを防ぎたい主人公は、1個龍の飾りを見つければいいはずです。龍の飾りは5つすべて集まらないと力を発揮しないわけですから。

しかし、ゲーム内では5つの龍の飾りをすべて見つけていないと強制的にゲームオーバーとなってしまいます。

まあ、「5つの龍の飾りのうち1つだけ見つければOK」というルールでは簡単すぎる気もしますが、矛盾は矛盾です。

ちなみに、このマルボルダスの登場の仕方は「床にあいた穴が徐々にせりあがって登場してくる」というものです。歌舞伎みたいですね。技術点は10、体力点は18の難敵ですが、特に魔法を使ってくるわけではありません。闇エルフに魔法を習ったはずの彼が、なぜ戦に際して魔法を使わなかったの過は永遠の謎です。「こんな若造魔法に頼るまでもなく倒せるもんねー」という慢心でしょうか。

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