バルサスの要塞

柳谷の善良な市民は、ここ8年の間妖術使いのバルサス・ダイアに恐れおののきながら暮らしてきた。

バルサスの要塞に偵察に出されたサラモン王の半エルフは3日前、恐るべき知らせを持ち帰ったきた。バルサスがぎざ岩山から魑魅魍魎の大群をかき集め、一週間以内に谷を攻める準備押しているというのだ。

サラモン王は行動の人だった。その日のうちに谷の隅々の防御を固め、また太古の森の半エルフにも協力を要請した。太古の大魔法使いの弟子である君は、サラモン王に協力を申し出る。無益な争いを避け、平和と秩序を維持するためにも、君はなんとしてもバルサスを討たなければならない。

本作品は「火吹山の魔法使い」に続くファイティング・ファンタジーシリーズの第2弾です。今回の主人公の目的は〈柳谷〉の善良な市民を脅かし、果ては世界征服をもたくらむ悪の魔法使い「バルサス・ダイア」の野望を打ち砕くことにあります。

今回の主人公は太古の大魔法使いの一番弟子ということもあり、さまざまな魔法を使うことができます。使える魔法の種類は一定時間体をチュウに浮かび上がらせる「浮遊」、幻影の財宝を生み出す「愚者の黄金」など。体力点さえあれば何度も魔法が使えるソーサリーシリーズと違い、魔法の使用回数には上限が定められているため、魔法の無駄撃ちは厳禁です。

ゲームとしての難易度は割りと高めです。ストーリー的には、ゲーム中盤まではこれといった強敵もおらず比較的進みやすいのですが、中盤以降で現れるバルサスの妻ルクレチア、欲深いミク、恐ろしいガンジーヒドラは強敵です。特にガンジーはあるアイテムを用いないと撃退することができません。何も知らずに突っ込んでいくと痛い目にあうでしょう。

また、バルサス・ダイヤの部屋には鍵が掛けられているのですが、この鍵を開けるためのヒントはなぜか図書室の本に書かれています。仮にも世界征服をしようかという男の部屋の扉の開け方が、なぜ図書室の本などに乗せられてしまっているのでしょうか。不思議でなりません。

挿絵の1つ。重々しい雰囲気が良く出ている。

バルサス・ダイヤは非常に強力で、魔法使いとしてはもちろん、戦士としても一流です。ただしとんでもない弱点をひとつ抱えているため、そこを付けば案外あっさりと倒すことができるかもしれません――逆に真っ向勝負で倒すにはかなりの技術点と体力点、それとサイコロ運が必要になります。バルサスの部屋ではファイティングファンタジーシリーズでも最強格に当たる武器、「太陽剣」(技術点+4)を手に入れることもできるのですが、それを手に入れると敗北が確定してしまうというのはいやらしいところです。

賭け事の部屋や数少ない癒しの付人との語らい、バルサスに殺された女の亡霊などの印象に残るシーンは数多く、ゲームとしても良くまとまっています。遊んで置いて損のない一冊といえるでしょう。

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